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【アメリカの心理カウンセラー】公認結婚家族療法士(マリッジファミリーセラピスト LMFT)とは?

更新日:8月24日

LMFTは「Licensed Marriage and Family Therapist「 公認結婚家族療法士」の略で、主にアメリカ合衆国で使用される専門職の免許です。LMFTは、個人、カップル、家族、そしてグループに対して心理療法を提供する資格を持つ専門家です。主に、家族や結婚に関連する問題(コミュニケーション、対立、離婚、家族関係など)を扱いますが、広範なメンタルヘルスの問題にも対応します。よって、医療機関や教育機関など、様々な場所で活動しています。


日本の民間の夫婦カウンセラーとは違い、公認心理師や臨床心理士と同様に、LMFTは心理学の教育(修士以上)とトレーニングを受けています。それに加えて、カップルや家族セラピーに特化した専門知識と実践的なトレーニングを豊富に積んでいます。また、日本の公認心理師や臨床心理士が直接診断をせず、医師による診断に基づいたカウンセリングを行うのに対し、LMFTは、うつや不安、トラウマなどの精神的な問題に対する診断と治療、カウンセリングを一貫して提供することが可能です。もちろん、状況に応じて医師をはじめ、専門家との連携もします。


そのため、LMFTは人間関係に関する小さなお悩みから、メンタルヘルスの問題に至るまで、幅広い分野を取り扱います。個人の問題が家族や親しい人との関係にどのように影響するかを理解し、そのダイナミクスを考慮しながら、より深い洞察とサポートを提供します。家庭内の問題から職場でのストレス、人間関係の改善まで、多角的なアプローチで心の健康を支えます。



■プライベートクリニック・開業

LMFTは、プライベートクリニックで個人開業またはグループ開業を行っています。クライアントに対してカウンセリング・心理療法を提供し、家族やカップル、個人向けのセラピーを行います。インターンやトレーニング、医療機関や教育機関、政府機関やコミュニティなどでいろいろな経験を積んだ後、自分の専門分野に特化した治療を提供するために開業する方も多いです。


■病院やメディカルセンター

多くのLMFTは、精神科病院や総合病院のメンタルヘルス部門でも働いています。医師や看護師、他のメンタルヘルス専門家と協力しながら、入院患者や外来患者に対して心理療法を提供します。特に、深刻な精神障害やトラウマを抱える患者様に対応する機会が多いです。


■学校や教育機関

小・中・高等学校や大学などの教育機関でカウンセラーとして働くLMFTもいます。学生が抱える家庭内問題や人間関係の悩み、学業上のストレスなどに対してサポートを行います。また、親や教職員へのコンサルテーションも行うことがあります。


■コミュニティメンタルヘルスセンター

地域社会でメンタルヘルスサービスを提供するコミュニティセンターでも働く方もいます。これらのセンターは、低所得者層や精神的・感情的な問題を抱える人々に対して、低コストまたは無料でサービスを提供することが一般的です。


■政府機関や非営利団体

LMFTは、児童福祉局や家族支援サービス、矯正施設、退役軍人支援プログラムなど、政府機関や非営利団体でも働くことがあります。社会的なサービスと連携して、家族や個人に対する心理的支援を提供します。



どうして、州の免許なのでしょうか?日本のような国家資格ではないのですか?


アメリカでは多くの専門職(LMFTだけでなく、心理士、医師、看護師、弁護士、建築士、その他)は州ごとの規制が行われています。全米資格は基礎資格としてあるものの、それをもとに各州で実際のライセンスを取得して、それぞれの州でその職業を実践する形になることが基本です。


LMFTを取得するためのステップと必要な資格(8~11年)


1.学士号取得(約4年)

主に心理学、社会学、カウンセリングなどの関連分野で学士号を取得します。


2.修士号取得(約2~3年)

結婚・家族療法(MFT)またはカウンセリング心理学の修士号が必要です。修士課程では、60~70単位程度(追加の専門トレーニングを含めばそれ以上)のカリキュラムが組まれ、心理療法の理論、臨床カウンセリング、倫理、家族システムに関する授業が含まれます。ちなみに私は90単位以上取得しました。

3.臨床実習とインターンシップ(約2~4年)

修士号取得後、監督下での臨床経験が求められます。これは通常、州によって2,000〜4,000時間に及びます。スーパーバイザーによる監督が含まれ、クライアントとのセッション時間数など、州ごとの要件に応じた経験が必要です。


4.州のライセンス試験合格

LMFTのライセンスを取得するためには、指定された試験に合格する必要があります。多くの州はNational MFT Exam(AMFTRB Exam)という全国的な試験です。カリフォルニアは例外で、2つの試験(カリフォルニアの法律や倫理に特化した試験と実際の臨床実践に特化した試験)に分かれています。私がライセンス試験の準備をしていた時代はは2次試験として、口頭試験もありました。


資格取得後の継続教育

継続教育: ライセンスを維持するためには、定期的に継続教育を受けることが求められます。州によって異なりますが、通常は1~2年ごとに特定の時間数を取得する必要があります。



LMFTは、プライベートクリニックや病院、学校、コミュニティメンタルヘルスセンターなど、さまざまな場で活動することができます。資格取得には8~11年程度かかり、修士課程や臨床実習を経て、ライセンス試験に合格する必要があります。資格を維持するためには、継続教育が重要であり、常に最新の知識と技術を磨き続けることが求められます。




オンライン心理カウンセリング・心理療法

アメリカ カリフォルニア州 公認結婚家族療法士 相賀ゆか



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