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【色々なカップルセラピー】リレーショナル・ライフ・セラピー

リレーショナル・ライフ・セラピー(RLT)は、アメリカのセラピストであるテリー・リアル)によって開発された心理療法のアプローチで、特に夫婦やカップル関係の改善に焦点を当てたものです。このアプローチは、個々のパートナーが自己成長を遂げ、健康的な関係を築くために、より良いコミュニケーションと親密さを育むことを目的としています。RLTは、従来のセラピーと異なる独自の特徴を持っています。



リレーショナル・ライフ・セラピーの特徴


  1. 透明性と直接性

    RLTのセラピストは、クライアントに対して非常に直接的かつ透明なアプローチを取ります。

    従来のセラピーでは、セラピストが中立の立場でクライアントに気づきを促すことが多いですが、RLTではセラピストがより積極的に関与し、必要な場合はクライアントの行動や態度を率直に指摘します。

    これは「厳しい愛」とも言われ、クライアントが関係における有害なパターンに気づくことを助けます。


  2. 「個人の成長」と「関係の成長」のバランス

    RLTは、個人の心理的な健康と成長が、良好な関係を築くための鍵であると強調します。

    同時に、健康的な関係は個人の成長を促すものであるため、個人と関係の両方に焦点を当てています。

    つまり、個人のニーズと関係のニーズのバランスを取ることが目標です。


  3. ジェンダーの役割と社会的条件付けへの意識

    テリー・リアルは、特に男性に対する従来の「タフさ」や感情表現の抑制に批判的で、これが多くの関係問題の根本にあると指摘しています。

    RLTでは、伝統的なジェンダーの役割や社会的な期待が、どのようにして夫婦間の関係やコミュニケーションを悪化させるかに焦点を当て、それを乗り越えるための方法を探ります。


  4. 親密さの再構築

    RLTは、親密さや感情的な結びつきを強化することに力を入れています。夫婦が互いの感情的ニーズを認識し、それに対処することで、関係の質を高めることを目指します。過去の傷や誤解を解消し、新しいレベルの理解と共感を築くことが重要とされています。


RLTの主な技法

  • リアルタイムのフィードバック

    セラピストは、カップルの会話や相互作用を観察し、その場でフィードバックを提供します。これにより、パートナーがどのようにして互いを傷つけているか、または支え合っているかをリアルタイムで理解できるようになります。


  • 厳しい愛と共感のバランス

    セラピストは、クライアントに対して同情的でありつつも、必要に応じて厳しい指摘を行います。これにより、クライアントが自己認識を深め、問題行動を修正する手助けをします。


  • スキルトレーニング

    RLTでは、カップルが効果的なコミュニケーションスキルや問題解決スキルを学ぶことが重視されます。

    これにより、パートナーが健康的な対話を行い、問題を解決する能力を高めます。


Relational Life Therapyの目的


RLTの主な目的は、関係性における破壊的なパターンを打破し、健全で親密な関係を築くことです。特に以下の点に重点が置かれています。


  • 相手を尊重しながら、自分の感情やニーズを伝える方法を学ぶ


  • 個人の成長と関係の成長を促進するバランスを取る


  • ジェンダーの役割や社会的期待による制限を乗り越え、感情的な自由を得る


  • 親密さと信頼を深め、より強いパートナーシップを築く


RLTは、特に困難な時期を迎えたカップルや、破壊的なコミュニケーションパターンを繰り返しているパートナーに効果的とされています。


また、RLTのアプローチは、パートナー同士が深く理解し合い、共に成長するためのツールを提供することに重点を置いています。





相賀ゆか 

米国CA州公認心理療法士

(マリッジ&ファミリーセラピスト)


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